オーダーメイドの革製品の製作・販売をおこなう工房兼店舗の改修移転計画。

別の場所にあった既存店舗からの移転とし、什器などは既存店舗で使用していたものを再利用することが前提でした。

 

既存の建物はおよそ100年前に建てられた長屋の一画、かつてはかまぼこ製品の工房として建てられ、今回の改修前は、住宅として使われていました。

何度かの改修によりかつての工房の姿は隠され、クロスやプリント合板で覆われていましたが、仕上げを剥がすとかつての梁や土壁などが残っていること、工房の時の吹き抜けが再生できることがわかりました。

 

ここでつくられる革製品のコンセプトは「心地よい違和感」。

野性味溢れる革とエレガントな革を組み合わせることで際立つ素材感のコントラスト、あるいは粗野な魅力のある革を美しく製品に仕立てることで見えてくる新たな一面、そんな相反する要素を技術で調和させた製品から着想を得て、100年前の荒々しい梁や土壁、かつての改修で足されたクロスやプリント合板、今回の改修で白く塗りつぶした空間、旧店舗から移設した什器、など複数の異なる素材を共存させた不思議な空間となりました。

 

革を貼った外壁や皮の取っ手が象徴的な外観をつくっています。

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